2011年08月31日

アメリカ西海岸道中日記、その24、帰国

ハマー.jpgエアポート.jpg

<シーン1;さらばハマー>

早朝、ロサンゼルス空港近くのレンタカー屋で、ハマーにお別れをした。
短いながらも、ともに旅した道連れである。
胸がつまる。

禁煙車というのに、さんざタバコを喫ったから、最後にファブリーズを惜しみなくふりかけてあげた。

液体は飛行機へ持ち込めないので、残りは座席のポケットにプレゼント。

さらば、赤いハマー。



<シーン2;最後の英会話>

ロサンゼルス発、成田ゆきのユナイテッド航空機内。

あと数時間で、成田空港到着というところで、客室乗務員が飲み物をサーブしはじめた。

コーヒーはタバコがほしくなるし、酒の気分でもない。
ちょとリフレッシュしたいと思ったので

「コークプリーズ」

と、コーラをお願いすることにした。


アメリカにいるあいだ、ずっと英語を使って、意志を伝えながら旅をしてきた。

もちろん、おおかたはGによる通訳付きではあるけれど。

簡単な英会話くらいなら、なんとかなるもんなんや。
と、自分に感心もしていた。


それゆえ、自信満々の「コークプリーズ」。

この旅、最後の英会話かもしれない。などと、
感慨深げにプラカップを、客室乗務員から受け取った。

さて、プラカップの中、黒色の液体からピチピチと炭酸がはじけて、、、、、





いない!

液体はなんと、無色透明!

もちろん、文句をゆって、取り替えてもらうほどの英会話スキルは、持ち合わせていない。

例によって、流れ作業の搭乗手続き、及び
客室乗務員の雑な扱いのせいで、オレは家畜に成り果ててしまっている。
(2008.04.17その2参照)

途方に暮れ、おそるおそる口にふくんでみることにした。


ひとくち。

無味無臭である。
まったくクセのないクリアな味わい。


もうひとくち。

何をかくそう。

まごうことなき純粋な"水"であった。
幸せそうに、氷が浮かんでいる。

ああ、たぶん「コールドウォーター」と聞き間違えられたのであろう。

うらめしや客室乗務員とふり返ると、はるか機体後方の乗客に飲み物をサービスしていた。

この旅、最後の英会話は無惨な敗北を喫した。

ウォーターは、"藁(わら)”と発音するんだと、ジョンR.S.が話していたのを思い出す。



<シーン3;成田国際空港>

帰国到着の手続きは、係員が日本語を話せるから何の問題もない。
久しぶりに見るジャパニーズの群れ。

飛行機の搭乗にかかわるすべてから解放され、ターミナルビル屋上。

見渡せば、夕なずむ空港。

このおぼろげに霞む色、音、空気の肌触り。

まさしく日本である。

アメリカ滞在中に、季節が移っていたらしい。

桜の花が満開である。

鼻の奥、アメリカ独特の匂いがまだ離れないので、不思議な感覚で、春の日本を眺めた。


日本のアメリカナイズ、欧米化ということが云われて久しい。

もしかすると日本は、他国の"文化的植民地"なのか、と悲観することさえある。

しかし、この、はじめての海外体験ではっきり自覚した。

ただ外国の様式をなぞったくらいで、根源的な日本的情緒や日本人の嗜好は、変わらない。

逆もまたしかり。

たぶん気候や風土こそが、その土地に住む人々の文化を形成しているのである。

匂いや味はもちろん、色や形、音でさえも、気候風土が違えば変化してしまう。

はじめての海外で、感覚が異様に敏感であったのかもしれない。
または、思い込みに拍車がかかっていたのかもしれない。

だとしても構わない。

アメリカ生まれの古臭いロックンロールに恋した日本人が、
どう音楽と向き合うべきか、何かがわかりかけた気がする。



滑走路の彼方、
霞がたなびくように、桜が咲いている。




おわり

ニックネーム フリントロックス at 22:18| Comment(2) | タチオールライト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月26日

アメリカ西海岸道中日記 その23.”ペニーマシン”

夜のハリウッド.jpgペニーマシン~00.jpg晩餐.jpg

※とんでもなく久しぶりに、アメリカ西海岸道中日記をお届けします。
その1〜その22は、08/04/15〜10/01/27に記しました。
あわせてお楽しみください。




ペニー(1セント銅貨)に圧をかけて、ひらべったく延ばしながら模様をつける、ペニーマシンという機械がある。

観光地や土産物屋の軒先などにに設置してあり、たいていその土地にまつわるレリーフをコインに施してくれる。

潰されてしまうペニーのほかに料金が10セントから25セント。
手軽に、かさばらない思い出がつくれる。

東京ディズニーランドなどにも設置してあるので、わかる人も多いかもしれない。

しかし、日本に設置されたものはペニーの代わりに、あらかじめ機械内に用意された"ペニーサイズの銅板"を圧延する。

日本の事情とその代替案が微笑ましいが、大量生産品のようで味気ない。

それにひきかえ、こちらはさすが本国のペニーマシン。

ほんとうにコインを圧延して記念品にしてしまうのである。

錆や汚れも一緒にプレスされてしまうので、迫力がちがう。

手持ちのコインを、通貨としては使用不能にして旅の記念にする。

ああ、なんてはしたなく、また素敵な行為か。


機械そのものは、古いアーケードゲームみたいな雰囲気で、たぶん子供向けの遊具にちがいない。
(お金を潰してしまうというのに!)


行く先々でペニーマシンを見つけしだい、ペニーを潰すことにしていた。


さて、サンディエゴからL.Aにもどった黄昏れ時。

アメリカ滞在のタイムリミットまであと半日あまり。

アメリカ最後の夜である。

時間の許す限りアメリカをほっつき歩いてやろうと決め、ハリウッドのストリートにむかった。

歩道に、星をかたどって、スターの名前を刻んであるあの有名な通りである。


うれしいことに、ここでペニーマシンを見つけた。

わかりやすく"HOLLYWOOD"と模様が入るらしい。
(画像はマリリンモンローのペニーマシン)

さっそく料金とペニーを用意して、ペニーマシンの操作にとりかかってみる。

ところがなぜか、うまくコインがセットされない。

ガチャガチャやっていると、黒人の女の子が声をかけてきた。

たぶん小学三、四年生。

彼女は
「コインの向きを変えてセットしろ」だの、
「違うコインでトライしろ」だの、
じつに子供っぽいアドバイスをしてくれる。

親切な子やなあと感心して、おもしろいし、いちいち彼女のアドバイスに従ってみた。


そして、何度目かの操作で、なんとかペニーマシンが作動。

「おー!動いた!」

なんだかうれしくなって、笑顔でお礼を述べた。

「いやー、サンキューベリーマッチ、ありがとう」

プレスされたペニーをつまみあげて喜んでいると、彼女は
右手の中指人差し指と親指をこすりあわせながら

「1box」

と言った。

何のことかわからない。

「は?」

「わン・ばぁッくす」

「!」


なんと、チップを1ドルよこせと言っているのである!

オレも気が利かんかった。が、えげつないガキである。

なんかがっかりしたし、アメリカっぽいなあと、納得もしてしまう。

1ドル紙幣を財布から取り出して彼女に渡すと、スッとどこかへ行ってしまった。

騙されたわけでもないのに妙な気分。

親切な行動への対価を請求されて、納得して1ドル支払っただけである。

しかし、お礼というより、恵んでやったみたいで情けない。

せつないなあ。
彼女の親切は、たった1ドル。



さてさて、この通りの歩道で見つけた、オレも知っているスターの名前は、
マリリン・モンローとファッツ・ドミノとフランク・シナトラ。

ほかのスターも探してみたいが、もう、あたりは暗い。


スーパーマーケットで食料を買い込んでホテルにもどり、日本へ帰る支度をすることにした。

アメリカ最後の晩メシが、スーパーのお惣菜?と驚かれるかもしれない。

しかし、あなどるなかれ。
アメリカのお惣菜は、ほんとうにパーティー向きなのである。

日本でなら奮発して、クリスマスや正月に食べるようなご馳走が、毎日普通に売っている。


最後の晩餐には、鶏の丸焼き、クラムチャウダー、サラダ、トルティーヤを用意して、シャンパンを抜いた。




つづく
ニックネーム フリントロックス at 06:47| Comment(0) | タチオールライト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月27日

タチオールライトの軒下ガレージ、レザークラフト〜リストバンド〜

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夏が近く、半袖になる機会が増えるので、革製リストバンドをつくることにした。

皆さんご存知ないかもしれないので、白状しておきたい。

おそるべきことに、タチオールライトは、レザークラフトができる。
しかも、ほとんど趣味の域を超えている。

昔の話になるが、じつは
バイクショップにサドルバッグやツールバッグ、革製ギアを製作・納品していたことがあるのである。
オーダーメイドも受け付けていた。

一番の作品は、カスタムショー用バイクに装着したサドルバッグ。

十数万をかけ、バンビの毛皮をあしらってスタッズアートを施した、巨大な振り分けバッグを製作させてもらった。

もちろん手元にはないので、何年か前のバイク雑誌などを探してみてほしい。
当時、数誌に掲載されたと記憶している。


自慢はさておき、リストバンド。
せっかくである。
自分のぶんだけではもったいない。

フリントロックスを応援してくれるミンナに、夏のオシャレを楽しんで欲しいと、一念発起してみた。
簡単に製作過程を紹介するので、しばらくお付き合いいただきたい。


今回製作するのは、スタッズを使った細身のリストバンド。

あまり世の中にはない、使い勝手の良いサイズのものをつくりだしてみたい。


1.裁断
ストラップカッターで革を裁断する。
いくつか試作を経て、たどりついた18ミリ幅。
統計の結果、さりげなく手首が美しく見える幅であるらしい。

2.革漉(す)き
手持ちの革が厚かったので、薄く漉く作業を行う。
固くなったかかとの角質を削る要領であるが、ほんとうにめんどくさい。
業者に頼めば機械で漉いてくれるが、事情が許さず今回は手作業。
ここでバックルを取り付ける折り返し部分は、さらに薄く漉いておく。

3.ヘリ磨きと穴開け
ヘリと裏面を一所懸命磨いて、革のほつれをととのえたら、ヘリに着色。
ヘリは作品の美しさを左右する。気を抜いてはいけない。
そして、ポンチを木づちでたたいてバックル装着用の穴をあける。

4.バックル装着
別に作成したサルカンといっしょに鋲をカシメて、バックルを装着。
これでようやく、リストバンド本体が完成である。

5.スタッズ打ち込み
トカゲとヘビの革をあしらって、スタッズ(飾り鋲)を打ち込んでいく。

こういうスタッズアート、近年さまざまなデザインが考案されている。
負けじと、"さりげないけど存在感のあるデザイン"を目指した。数えてみると、一本あたり47発のスタッズを打ち込む計算!!

過剰に贅沢なデザインとなってしまった。

残念ながら、何をやっても凝り性である。

これだから、何をやってもアシが出てしまう。



さて、こうしてできあがったリストバンド。

赤いスウィングトッププロジェクト緊急集会の折、感謝の気持ちをこめて、特別に超安値で販売させてもらった。

飛ぶように売れたので満足している。

手に入れることができた皆さん、お気に召しましたでしょうか?
ニックネーム フリントロックス at 19:52| Comment(1) | タチオールライト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

 

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